科学コミュニケーション研究会は2012年6月4日から6月15日にかけて、MLメンバー、および科学コミュニケーションに興味をもつ皆様へのアンケートを実施いたしました。約70名の方々に回答をいただいた結果を下記にまとめました。科学コミュニケーション研究会は、本アンケート結果をもとに、参加者の皆様の声を取り入れた研究会運営を行ってまいります。
(以下、調査結果)
Q1 科学コミュニケーション研究会の支部勉強会(関東支部勉強会、関西支部勉強会)に参加されていますか?
選択肢 |
回答数 (割合) |
(1) 常に参加している |
2 (3%) |
(2) 年に4,5回以上参加している |
7 (10%) |
(3) 年に2,3回は参加している |
20 (28%) |
(4) まだほとんど参加していない |
17 (24%) |
(5) 参加したことはない |
24 (34%) |
Q2 科学コミュニケーション研究会の年次大会(現在までに5回開催)に参加したことがありますか?
選択肢 |
回答数 (割合) |
(1) 常に参加している |
0 (0%) |
(2) 2回以上参加している |
3 (4%) |
(3) 1回のみ参加した |
12 (17%) |
(4) 参加したことはない |
54 (76%) |
Q3 科学コミュニケーションとひとくちにいっても様々な話題があります。以下からあなたの興味のあるすべてのキーワードを選んでください
選択肢 |
回答数 (割合) |
理科教育全般 |
32 (64%) |
科学館・博物館の活動 |
26 (37%) |
科学広報(パブリック・リレーションズ)の活動 |
43 (61%) |
科学技術ガバナンス |
24 (34%) |
科学技術政策 |
30 (43%) |
倫理的・法的・社会的問題 |
29 (41%) |
科学ジャーナリズム |
37 (53%) |
科学・技術に関する社会的な合意形成 |
28 (40%) |
ポストドクター、若手問題との関係 |
22 (31%) |
科学コミュニケーション活動の評価 |
32 (46%) |
科学コミュニケーションに関わる人達の連携 |
30 (43%) |
科学コミュニケーション活動の実施・運営 |
31 (44%) |
他分野(社会心理学、経済学、政治学等)との連携 |
33 (47%) |
各学協会の取り組み |
6 (9%) |
その他 |
|
Q4 上記で「そのほか」と答えた方にお尋ねします。どのような話題に興味がありますか?
科学に日頃関わることのない、よく「市民」とか「一般の方々」と呼ばれるような方からの評価。
大学院生による科学コミュニケーション活動。例えば、高校への出張授業、あるいは「サイエンス・カフェ」の講師など。
組織運営・評価に関わる科学広報昨年からリスクコミュニケーションにかかりきりです。現場にでると、その必要性をまた強く感じます。 リスクコミュニケーションにもいろいろな側面・フェーズがありますが、特にリスクを市民に伝える場面では、科学コミュニケーションの一分野だと考えています。
科学技術コミュニケーション方法論・ツール(実施・運営に含まれるかも知れませんが)科学コミュニケーションを科学(研究)する方法 海外での取り組みとの比較数学の教育。少しズレているかもしれませんが、大学教育での理系授業(特に学習意欲が低い大学の) まずはここをわかりやすい理解しやすくしないといけないと思ったりしています。
ビジネスとしての科学コミュニケーション元々はPublic Relationsの活動であり、一般の方・先生・学生・生徒・児童等とよい関係を作っていくかを模索しています。
科学史や科学社会学などとの連携。広報、コミュニケーション、ジャーナリズムの質の評価をどうするか、など。
産学連携科学分野のコーディネート。具体的には、産官学の連携、グローバル化の推進など。まだリサーチ段階ですが色々勉強させて下さい
科学コミュニケーションを科学(研究)する方法。海外での取り組みとの比較
博物館以外に、図書館や美術館といった、公的施設とのコラボレーション。
学術コミュニケーション、特にオープンアクセス運動・セルフアーカイビングと、科学コミュニケーションの関わり
1) 市民の科学リテラシーの涵養。特に、情報の読解能力などの基礎的なリテラシーでなく、科学的技術的知識の運用・科学的技術的方法論の応用の能力(認知的・社会的スキル)といった発展的なリテラシーについて。
1の実現を目的とした社会的実践。具体的には、科学技術研究に関わる知識・知的諸活動のオープン化ための制度設計、市民の手による科学的技術的イノベーション創出の場の設計、など。
Q5 科学コミュニケーション研究会の年次大会について、開催場所、時期などのご希望をお聞かせください
場所は東大でいいと思います(昼食場所確保の苦労はありますが)。
7月より、9月の方が時期的にはいいですね。それより遅いと学会シーズンと被ってしまうので難しいかもしれません。
年次大会なのですから、年に一回でいいのでは。多くの参加者の利便性を考えると東京がよいと思います。
個人的な希望としては、東北での活動を盛り上げる意味も込めて、仙台などで開催されればより参加しやすいです。東大で大学は、非常に便利ではありますが、つくばにある研究所などはいかがでしょうか?
もし、可能であれば、関東、関西の交互開催を希望致します。 駅から近い日曜日これまで参加してはいませんが、開催場所や時期はよいと思う特にありません。
大体で構いませんので、開催する時期を固定してほしい。
Q6 科学コミュニケーション研究会の今後の活動への希望、期待をお聞かせください(できるだけ具体的に)
業界を越えた若手中心の集まりとかも企画してほしいです。(私が知らないだけでしたらすみません。)また、全国のサイエンスカフェ等との連携とかもできたらいいんじゃないかなと思っております。
まだ研究会に参加したことがないが、第一線で研究を行っている研究者や大学院生の研究会への参加を奨励し、研究会の活動内容を大学院全体に知らせるといいのではないか。
遠方にいてMLのみの参加ですが、どのような話題を扱いながら活動しているのか注目しています。
知財や組織マネジメントの側から見た経済のフローに乗った科学コミュニケーションについても(予算は降ってくるわけではないので)勉強できればと思います。また当方が遠隔地におりますため、Ustream等の録画配信も充実していただければ助かります。
実践の場に近い人たちのお話(サイエンスカフェ等科学イベント運営者、SSH学校教員、科学館職員など)ももっと取り上げてほしいと思います。
例会開催を、時には、土曜日または日曜日にしてほしい。
何度か参加させていただいた勉強会は大変興味深いものでした。これを今後も続けていただきたいと思います。私は科学広報や科学コミュニケーションの評価に関心があるので、たとえば企業広報に明るい方、あるいはボランティア活動・生涯教育・芸術などの社会の中での評価に詳しい方などの講演も聞いてみたいです。
前回の年次大会の期間中に参加者と議論しましたが、理科教育学会的なものとどう区分けしていくのか(はたまた区分けしないのか)は考えていく必要があるのではないかと思います。私個人的には、研究会として、実際に活動していく中での問題点や疑問点を仲間と議論し解決策を見つけていく場として機能していくといいと思います。
リスクを含む分野でどう科学コミュニケーターがかかわっていくのかは避けて通れない分野だと思いますので、もう少し踏み込んだ議論&積極的なかかわり方をしていくべくではないかと考えています。
研究会はとても刺激的で内容的にも非常に勉強になると思っています。今後も継続されることを期待しておりますが、年に1回程度で合宿セミナー(有料)など企画されるのもおもしろいかと思います。
研究会のメンバー証や研究会誌などがあると、帰属感がさらにでるように思えます。
既にいろいろな立場の方がそれぞれの立場から見た科学コミュニケーションについての考えを発表、あるいは問題提起していたので、それをまとめて、文章化あるいはビジュアル化してほしい。それをみて(自分含め)科学コミュニケーションに携わる人が、自分自身どこに位置し、どう活動していくことができるのか、あるいは適切なのか、方向づけを考えられるようなものができるといいと思う。
支部会に参加したいのですが、すでに予定が決まっていることが多く、なかなか参加できません。先に年度のスケジュールを決めていただくことはできないでしょうか?また夏休み期間などについては平日の昼間からの開催も検討ください。仕事を持っている方には難しいかもしれませんが、自分に必要な活動であれば、有給とって参加してもメリットがある内容になるはず。研究会からなにか目に見える成果がとびでてくることに期待しています。
科学コミュニケーションの考え方や最新動向はもちろん、研究会の趣旨でもあります科学コミュニケーションの学術化に関して、業務を行いながらの研究方法や論文の書き方、共同研究の可能性などいろいろ勉強したいと思っております。
勉強会を、土日に設定いただけると大変ありがたく存じます。
科学教育における体験学習の体系化に向け、教材の制作、教授方法、学習スタイル、評価手法、それらのデザインについて、議論を交わし、研究し、改善に向かっていけば、科学コミュニケーション”学会”になると思う。現在のところ、科学コミュニケーションに関わる人の立場が多様すぎて、議論になりにくい。お互いの役割を確認するところから始まるのではないか。
科学館博物館での、ハード面での科学コミュニケーション?たとえば、まったく興味のないカップルが博物館に行ったりすると20分で回って全部帰ってくる場合があったりまします。極端な例ですが。興味を引き出すような作り方、また説明の表示の仕方、声での解説の時間の改善点など、少しだけ工夫すれば、見違えるのにと思うことが多いからです。フリを作り、興味を引かせ、覚えてもらうの形がまだ少ないと思うのです。
より積極的な議論ができればと思います。常に参加される方の分野に話が流れて行ってしまうことを見ました。しますと非常に違和感を感じ、興味をなくしてしまうと思います。なお、リスクコミュニケーションなど、概念を統合・整理することも必要でしょう。
科学コミュニケーション研究会においては、他分野、他業種の方が多くの思想をもって、参加されているものと理解しております。特に、科学コミュニケーションについては、「表現」、「プレゼンテーション」、「合意掲載」、「科学・技術の翻訳」、「サイエンスカフェなどの企画・運営論」、「実践研究」、「評価」などが不足しております。それらの分野毎に、実践、教育、研究を報告できる環境が整備されていけばと願っております。
今のところ勉強会への参加のみですので、具体的に今後の活動への希望や期待はありませんが、各人の専門性が多様であるため、得てしてディスカッションが勉強会の主題のテーマに限りがちなので、もう少し普遍的な視点、視座でもってディスカッションを進めていただければ興味深いかと思います。
今年の春にこの研究会を知って参加し始め、科学コミュニケーションについては素人ですが、学会での産官学連携についての集会に参加した際に、研究の成果が特に官の政策などへの応用に上手く反映されていないことにショックをうけました。科学者と社会とがもっと上手く連携する必要性を強く感じ、この研究会に興味をもちました。また、研究を進めるうえで、科学者どうしのコミュニケーションの必要性も感じます。この研究会の活動が、社会に広く認められて影響力を示せると素晴らしいと思います。
1.研究会の講師について:農林水産省に勤務しておりますが、(主に)食品安全に関するリスクコミュニケーションおよび、行政としての情報発信としての講師はご照会できるのではないかと思っています。2.東京電力福島第1原子力発電所事故に関連して:事故に伴う放射線影響について、本来放射線医学等の専門家ではない、科学者の方々がSNSで情報発信を行い、相応(以上)の影響を持ったという印象を持っています。そのような状況についての、検証について興味を持っています。
京都大学医学部にコミュニケーションの講座が用意されていたり、また、阪大と京大で科学政策に関する専攻?を連携で開催する予定のようです。これらの取り組みについて、インタビューなどしてはいかがでしょうか。
前回の関西支部の勉強会は産学連携についてで大変興味深かったので、もう少し企業からのアプローチを展開してみてはいかがでしょうか?CSRなどとの科学コミュニケーションを考えるのは面白いかもしれません。
“研究論文を載せる”学術雑誌の発行。
私は、公共図書館に勤務していますが、とても参考になる話題が多く、行政機関ともっと積極的に連携して参加を呼びかけた方がよいと思います。
継続的な活動になっているので、すごいなと感謝しております。具体的でなく、また質問の意図から外れており申し訳ありません。
科学コミュニケーション活動を実践されている方々は、背景も動機も非常に多様であり、包括的に記述・分析することは困難なのが現状であろうかと思います。研究会の活動を通じてその多様性の内実が明らかになり、それぞれの立場での目的なり行動規範なりの事例収集が行われれば、現状から一歩先に進むきっかけになるのではと期待しております。
研究会の話題提供者として、科学コミュニケーションに限定せず、もっと広い意味でコミュニケーションに関わる人(例えば、百貨店の店員)や、異分野の人(例えば、政治哲学など)を交えてギロンできれば、兎角、科学に限定しがちな科学コミュニケーションを別の角度から見られると思います。
Q10 あなたの年代を教えてください
選択肢 |
回答数 (割合) |
(1) 20代 |
14 (20%) |
(2) 30代 |
29 (42%) |
(3) 40代 |
13 (19%) |
(4) 50代 |
8 (12%) |
(5) 60代以上 |
5 (7%) |
Q11 あなたの所属についてお聞かせください
選択肢 |
回答数 (割合) |
(1) 大学および研究所(独法等も含む) |
41 (58%) |
(2) 科学館・博物館等 |
3 (4%) |
(3) 省庁など国の機関 |
3 (4%) |
(4) 民間企業 |
10 (14%) |
(5) その他 |
11 (15%) |
Q12 上記で「そのほか」と答えた方、差支えない範囲で所属をお聞かせください
財団法人
産業支援団体
フリー
民間企業
リサーチ団体
小学校の理科の講師
市の外郭団体
地方行政外郭団体
公共図書館